二日目は、岩手県南部の平泉に行きました。
　中尊寺では夢中になって、見学しました。皆様、本当に感激しました。
　境内の建物が、金色堂をはじめ、全部すばらしくて、やっと前の時代にいる気がしました。金色堂の装飾、蒔絵、螺鈿、漆工芸、阿弥陀三尊像（阿弥陀如来坐像、観音菩薩、勢至菩薩）を中心に、左右に地蔵菩薩、手前に二天像が見事にできています。平安時代のものです。触りたかったですがだめですよね～。
　讃衡蔵（さんこうぞう　＊3）の中に入っている様々な宝物（平安時代の仏像、螺鈿で作られたもの、お経＜紺紙金銀字＞）は超素晴らしいです！！！　奈良の正倉院のものを思い出しました。正倉院の宝物は写真でしか見ていませんが、いつか必ず見たいです。昔の人はそういう立派なものを手でしか作らなかったのです。何時間でも見ていたかったのですが、次のところへ出発しなければならなかったのが残念でした。
　
　次の目的地は石巻市でした。着いてから、美味しいお寿司を食べました。その後、見ておくべき場所へ移動しました。そこは、大震災で壊されたところです。
　そのときの感情は表しにくいです。テレビの番組ではなく、そこに実際にいるのです。生放送を見たときは、泣いていました。自分の目で見たら、また泣くだろうと思いました。しかし、目が涙でいっぱいなのに、涙が出てきません。言葉も出てこなくて、動くこともあまりできなくて、ただ見て、考えるだけです。自然の力ってすごいです。
　
　










　日本は地震の多い国で、何回もひどい目に遭いました。しかし、日本人はいつも立ち上がります。石巻市、女川町（そこも行きました）、宮城県だけではなくて、福島県、他の被災地に住んでいる人たちは、普通の生活に戻ろうと努力しています。ゼロから始める人も結構います。悩まないで、一生懸命にやります。私たちに何を望むかと訊くと、「慈悲や哀れみの気持ちではなく、多勢の人に来ていただいて、一緒に復旧の手伝いをしていただいて、この土地の名産物を買っていただくと、それがとても助かる」そうです。できるだけそうしたいですね。
 
　今回の出張はとても有意義な旅でした。忘れられません。私の知識が高まりました。
 
＊3編集者注3　讃衡蔵（さんこうぞう）　：　中尊寺に伝わる文化財・宝物を永く後世に伝える宝物館として建設され、平成１２年に新築された（中尊寺ホームページより引用）
 関連サイト : http://www.chusonji.or.jp/guide/precincts/sankozo.html


写真は上から、中尊寺、石巻市の被災した校舎跡、同被災地域（手前の欄干に被災前の写真パネルが掲示されています）、女川市のがんばっぺ スローガン）