理想郷のことをいいます。
中国古代の伝説の王:黄帝が、夢の中で華胥の国に遊んだという故事から、吉夢または夢のことを修飾して「華胥の夢」といい、あるいは夢を見ることを「華胥の国に遊ぶ」ともいいます。
『列子』黄帝篇にでている寓話が元になっています。
ある日、黄帝は昼寝の夢で華胥の国に遊んだ。
その華胥氏の国には、人の上に立つ身分の高い人もなく、人々は欲望・愛情・生死・利害などの考えを
もつことなく、国中のいっさいが自然のままであった。
黄帝はやがて夢からさめて、はっと悟りを開くところがあった。そこで三人の近侍の臣をお側に
召しよせて、夢の次第を語り、こういいました。
「わしはこの三ヶ月というもの、ひたすら身心を修め整え、工夫をこらしたが、ついぞ良い
思案も浮かばなんだ。ところが疲れて睡っている間にみた夢がこれじゃ。
いかにさかしらの思案工夫をこらしたとて、求め得られるものではない。
わしは無心の夢の中ではじめてその道なるものを、会得したような気もするのじゃ。
さてそれをお前たちに口づてにしてやれぬのが歯がゆいわい。」
それからまた二十八年、無心のうちに道の極致を会得した黄帝の天下は、大いに治まって、あたかも夢の中の
華胥の国のようになったということです。
昔々のお話です。
数々の感動を与えてくれたソチオリンピックが閉幕します。
次は、さらなる感動のパラリンピックが、3月7日から3月16日まで開催されます。