長さ一尺の木簡に書いた手紙の事ですが、
【尺牘書疏は、千里の面目】とい文章の前半を抜き書きした四字熟語です
手紙の筆跡が上手なのは、千里の遠方にまで誉れを得ることができる、という意味が隠されていました。
【尺】は、親指と中指を展(ひら)いた形の象形文字です。
一尺の長さの書き物ということで、木簡・竹簡をも表わします。
シャクは呉音でセキは漢音ですが、、
寸法には「シャク」、手紙とか書き物には「セキ」を用いる例が多いように見受けます。
【牘】は木簡の事です。【尺牘:セキトク】といいますのは、一尺の木簡をいいます。
細かいことを言いますと、「牘」の旁の部分は、「士+四+貝」です。
売の正字体「賣」と似ていますが、「賣」は「士+罒+貝」です。
「冒瀆:ボウトク」の瀆、「贖罪:ショクザイ」の贖の旁の部分は、「士+四+貝」です。
【書】は、聿(イツ)と者(シャ)から作られました字です。
「聿」は筆です。「者」は、都市を囲む防壁の回りに器に入れて埋められた呪い札です。
【書】は、その呪い札に書かれた呪文のことです。またその呪文を書くことも言います。
【疏】は、書き記す、手紙などの意味を表します。
常用漢字の「疎」は、「疏」の俗字です。
書に関連するときは正字の【疏】、
うとい、あらいの時は「疎」というように、使い分けがされているようです。
【尺牘書疏は、千里の面目】は、『顔氏(ガンシ)家訓(カクン)』雑芸篇にでています。
真草(シンソウ)の書跡(ショセキ)は、微(ひそ)かに須(すべか)らく意を留むべし。
書は楷書でも草書でも、人知れずのうちに美しくしておきたいものである。
江南(コウナン)の諺に云う、
江南の諺にも
尺牘(セキトク)・書疏(ショソ)は、千里の面目(メンボク)なり」。
手紙の筆跡が上手なのは、千里の遠方にまで誉れを得ることができる、というものがある。
1911年(明治44年)2月18日に、インドのアラハバードで開かれていた博覧会会場から、8キロ離れたナイニジャンクション駅まで6000通の手紙が初めて飛行機によって運ばれたことを記念して、
『エアメールの日』と呼ばれるようになりました。