老いてもなお高い志を持っていることを表している四字熟語です。
【老驥(ロウキ)、櫪(レキ)に伏(ふ)すも 志千里に在(あ)り】 と次の句と一緒に訓読みされます。
老驥:年老いた駿馬。驥は一日に千里を駆ける駿馬。
櫪:くぬぎの木。くぬぎが床下の横木に用いられていたことから、ここでは馬小屋を表しています。
【老驥伏櫪】は三国志曹操の詩『歩出(ホシュツ)夏門行(カモンコウ)』に出てくる四字熟語です。この詩は14句が一まとまりとなって、一首を構成しています。五首から成っていまして、【老驥伏櫪】は最後の真ん中辺に出てきます。五首目は「亀雖寿:亀寿(いのち)長しと雖(いえど)も」と題が付いています。
いまそこの部分の「読み下し文」と「意訳」を書いてみました。 【意訳】のところだけでも読んでみて下さい。この詩は207年曹操が烏桓(ウガン)討伐に行く頃に作られたと言われています。次の年208年がレッドクリフ:赤壁の戦いとなりまして、曹操大敗北となります。
【読み下し文】 【意訳】
神亀(シンキ)は寿(ジュ)なりと雖(いえど)も 神亀、命長しといえども
猶(な)ほ竟(おは)るの時有り。 いつかは死ぬる。
騰蛇(トウダ)は霧を成せども 昇る龍は霧を成し
終(つひ)に土灰(ドカイ)と為る。 いつかは土灰。
老麒(ロウキ)櫪(レキ)に伏(ふ)すも 老いたる駿馬
志は千里に在(あ)り。 目指すは千里。
烈士は暮年に 烈士は暮年
壮心(そうしん)已(や)まず 。 心は逸り已むことなし。
盈縮(エイシュク)の期は 命の長短
独(ひと)り天のみに在(あ)らず。 天命なるか、イヤ違う。
養怡(ヨウイ)の福は 体を大事にすれば
永年を得(う)べし。 長生き出来る。
幸は甚(はなは)だ至(いた)れるかな 幸甚なるかな
歌ひて以て志を詠ず。 歌おうか。
【老驥伏櫪】を座右の銘になさってる方は結構いらっしゃいます。