【兼愛交利:ケンアイコウリ】とは、【兼(か)ねて相(あい)愛(アイ)し、交々(こもごも)相利する】と読まれていたところを四字熟語にまとめたものです。
区別なく広く愛し互いに利益を与えあうことを表します。
『墨子』兼愛中篇の三カ所に【兼(か)ねて相(あい)愛(アイ)し、交々(こもごも)相(あい)利(リ)する】の形で記載があります。
1)然(しか)らば則(すなは)ち兼ねて相(あい)愛(アイ)し、交々相(あい)利(リ)するの法は、
それでは併せ相愛し互いに相利する法は、
將(まさ)に奈何(いかん)せんとするか。
どうしたらよかろうか。
2)況んや兼ねて相愛し交々相利するに於いては則ち此れと異なる。
まして併せて相愛し互いに相利するというこということは、このような難事とは異なるのである。
いま天下の士君子が、まことに天下が富むことを願ってその貧しいことを憎み、治まることを願って
乱れることを憎むならば、
3)當(まさ)に兼ねて相愛し交々相利すべし
併せて相愛し互いに相利することを行うべきである。
墨子は、「天下の利益」は平等から生まれ、「天下の損害」は差別から起こると考えていました。
孔子による、仁にもとづく愛は、親子、兄弟、家族、というように偏った愛である。偏愛であるとして批判し、
自他の別なく全ての人を平等に、公平に隔たりなく愛すべきであるという博愛主義を唱えました。
これが「兼(ひろ)く愛する」、すなわち「兼愛」であるとしました。
兼愛は互いの利益になることでありこれを「交利」としました。
2月14日は『バレンタインデー』です。
「義理チョコ」はひょっとして「兼愛」の表われかも知れませんね。