良い日、縁起の良い日を言います。
【吉日】は、文字通り「よい日」、吉日です。
【吉】は、呉音:キチ。漢音:キツ。【日】は、呉音:ニチ。漢音:ジツです。組み合わせによって
「キチニチ」、「キツジツ」、「キチジツ」、「キツニチ」などと読まれます。
【良辰】は、良い時を表しますし、また【吉日】と同様、縁起の良い日をいいます。
【辰】は、二枚貝が「から」から足を出している様子を文字化したものです。
①たつ。十二支の第五番目。②とき。時刻。③ひ(日)。④あさ(早朝)、などの意味があります。
【吉日良辰】の場合は、③ひ(日)です。
【良辰】を良い時の意味で使った例が『楚辞』九歌篇に出ています。
吉日兮辰良
吉日(キチジツ)の辰(シン)も良し。
今日のよき日の時刻も良い。
穆將愉兮上皇
穆(つつし)みて將(まさ)に上皇を愉(なぐさ)めんとす。
ここに敬(つつし)んで上天の神を慰め奉ろう。
今日、2月11日は「建国記念の日」で国民の祝祭日です。
昭和41年から「建国を記念する日」と言う意味で制定されました。
「讖緯説(シンイセツ)」という古代中国の予言説があります。
それによりますと21年ごとの「辛酉:シンユウ。かのととり」の年には、大事件が起こるんだそうです。
60×21=1260年です。これを一蔀(イチボウ:1260年のことです)といいます。
推古 9年(西暦 601年)が辛酉の年でしたし、この年は、聖徳太子が斑鳩宮の造営を始めた年です。
ですから、聖徳太子が
『去る一蔀を神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと:神武天皇のことです)の御即位と
なさっては』
と言うようなことを、多分、提案したんじゃないでしょうか。
日本書紀(720年完成)の編纂に携わった人たちは、これを利用して神武天皇の即位日を
決めたようです。
推古 9年(西暦 601年。辛酉の年)の1260年前が紀元前660年で、その年の1月1日を
神武天皇即位とし、近代になって、西暦に直すと2月11日となるのでこの日を「建国の日」に
しましょう、となりました。
戦前は「紀元節」と呼ばれていました。
大事件、それは日本の国が出来たときに違いない。
それが「建国の日」へとつながっていったと思われます。
難しいことは抜きにしまして、日本の古代史を読んでみるのもいいんじゃないでしょうか。