針ほどの小さいことを棒ほどに大きく言うこと。大袈裟に言うことの喩えです。
【針】は、金+十から作られた形声文字です。十は|(針の形)の中ほどに、糸を通す小さな穴を示す
「●」を加えた形が、十の字になりました。
【小】は、小さなものが散乱していることを表した象形文字です。
形が小さく、数が少ないので「ちいさい、すこし」の意味となりました。
【棒】は、木+奉から作られた形声文字です。奉は丰(上に伸びた木の枝)を両手で神に捧げ、
さらにそれを下から手で支えている形です。
【大】は、手足を広げて立つ人を正面から見た形です。
「おおきい、さかん、すぐれる」の意味に用います。
「大」の上に大きな頭を加えた形は「天」。
「大」の頭上の髷(まげ)に簪(かんざし)を通している形は「夫」です。
「大」と「一」とを組み合わせて「立」の字が、「立」を左右にならべた形「竝」は「並」で、
「ならぶ」の意味になります。
2月8日を事始めとよび、農耕を始めます。12月8日を事納めとよんで農耕を終えました。
この日は、愼みをもって過ごす日とされ、この日は針仕事を休むべきと考えられていました。
そして使えなくなった針を神社に納め、あるいは豆腐や蒟蒻のように柔らかいものに刺したりすることで供養し、裁縫の上達を祈ったようです。
これが『針供養』の起こりです。
最近は家庭で針仕事をすることも少なくなり、『針供養』も行なわれませんが、服飾に関わる分野、和裁や洋裁の教育機関や企業では現在も行われているそうです。