虎の尾や、春の薄氷を踏むように、非常に危険な状態を譬(たと)えた言葉です。
出典は『書経』君牙(クンガ)です。
惟(こ)れ予(ヨ)小子(ショウシ)、文武成康(ブンブセイコウ)の遺緒(イショ)を嗣守(シシュ)し
さて、私は文・武・成・康、四王の遺業を受け継いでいるが
亦(また)惟れ先王の臣、克(よ)く左右して、四方を亂(おさ)む
それも先王の臣たちがよく助けて、四方を治めていてくれるからである。
心の憂危(ユウキ)、
しかし,(私は己の才の乏しさを心で)憂え危(あや)ぶんで、
虎の尾を踏み、春の冰(こおり)を渉(わた)るが若(ごと)し
【あたかも虎の尾を踏み、春の氷を渡るかのような気持ちでいる】。
今爾(なんじ)に命じて予が翼(よく)とし、股肱(ココウ)心膂(シンリョ)と作(な)す。
いま汝に命じて私の補佐とし、股とも肱とも心臓とも背ともなって働いてくれるようにと
思っている。
『書経』は、このあと
自分自身の身を正しく処することである。
と教えています。