人の行動や言葉、詩文などの意味や趣きが非常に深く含蓄のあるさま。
また、表面にあらわれた意味のほかに、別の意味が含まれている様子もいいます。
後者は俗に略して「意味深:イミシン」とも言うようです。
【意】は、「音+心」から作られた会意文字です。「音」は神が願い事を聞いたあかしです。
その証としての音をいろいろとおしはかることが「意」です。
【味】は、「口+未(音符号)」から作られた形声文字です。「あじ・あじわう」の意味です。
【深】は、氵を意符とし、旁の部分を音符号とした形声文字です。「ふかい・ふかまる」の意味です。
【長】は、長髪の人を横から見て文字化した象形文字です。
長髪である事から「ながい」の意味となり、長髪の人は老人であることから「かしら、たっとぶ」
の意味ともなりました。
【深長】は、意味に深い含みがあることを言います。
【意味深長】の四字熟語は朱熹の『論語集注(シッチュウ)』の序説に出ています。
程子曰。頤自十七八讀論語。
程子(テイシ)曰(いわ)く、頤(イ)十七八(ジュウシチハチ)より論語を読む。
程子曰く、自分は17,8才から論語を読んだ。
當時已曉文義。
当時(トウジ)已(すで)に文義(ブンギ)を曉(さと)る。
当時既に文義は分かっているつもりであった。
讀之愈久。
之(これ)を読むこと愈(いよいよ)久(ひさ)しくして、
しかし、論語を読むこと、いよいよ久しくなって、
但覺意味深長。
但、【意味深長】なることを覚(おぼ)ゆ。
意味深長と覚った。
【シンチョウ】は「慎重」、「伸長」、「深重」、「深調」と同音の熟語がありますが、
あくまでも【意味深長】です。