ひじょうに美味しい御馳走のことを表す四字熟語です。
【美】は、羊の角から後ろ足までの全体を表した象形文字です。成熟した羊の美しさが「美」です。
【酒】は、「氵+酉」から作られた形声文字です。「酉」は酒樽の形で、酒のもとの形です。
酒の部首は「さんずい」ではなく「酉:ひよみのとり」です。部首名「ひよみのとり」は、「酉」が
「暦:こよみ。ひよみ」の十二支の「とり」に使われているからです。
「酉」の部にはお酒に関係した文字が沢山あります。
酌(シャク。く・む)、酎(チュウ)、酔(スイ。よ・う)、酣(カン。たけなわ)、
酩(メイ。よ・う)、酊(テイ。よ・う)、醪(ロウ。にごりざけ)、醴(レイ。あまざけ)
釀(ジョウ。かも・す)などです。
【美酒】は、美味しいお酒の意味です。
【佳】は、「亻+圭(音符号)」から作られた形声文字です。
「圭」は上が円く下が四角の玉の名です。圭玉は任命されるときに諸侯に与えられるめでたい
玉でした。そこから「佳」が「よい、うつくしい、めでたい」の意味に使われるようになりました。
【肴】は、爻(骨の一部)+月(肉)からできた象形文字です。骨つきの肉、あるいは骨混じりの肉を
表します。
【佳肴】は、よいさかな、美味しい料理のことです。
太宰治の『竹靑』に
寝台には赤い小さな机が置かれ、その上に【美酒佳肴】がならべられて、数刻前から
客を待ち顔である。
柴田錬三郎の『柴錬水滸伝』に
そのまま行かせるのが惜しまれて、やかた内に引き留めて、【美酒佳肴】攻めにした。
【美酒佳肴】がでていました。
日本の「和食」が世界無形文化遺産に登録されました。