異なる口が同じ音を発することから、多くの人が口をそろえて、同じことを言うことを表した四字熟語です。
【異】は、象形文字で、鬼の形をしたものが、両手を挙げておそろしい姿をしている形です。
田の部分は鬼の頭部を表しています。
【異】は大きく異様な姿のものをいい「ことなる、すぐれる」の意味となりました。
【口】は、「くち」の形を表した象形文字ですが、甲骨文字や金文には、人の「くち」に使われた例は
ないそうです。
多くは神への祈りの文である祝詞をいれる器を表しているそうです。白川静博士の説です。
古・右・可・歌・召・名・各・客・吾・吉・舎・告・害・史・兄・祝・啓・品・區・臨・嚴などに含まれる「口」は
みな「祝詞をいれる器」と解することによって、その字形の正しい意味を理解することができます。
【口】を「コウ」と読むのは漢音読み、「ク」と読むのは呉音読みです。
【同】は、甲骨文字、金文の字形は凡(盤という器)と口(祝詞をいれる器)とを組み合わせた形で
会意文字です。
集まって【同】という酒杯を使って行なう儀礼をともにすることから「ともにする、おなじくする、おなじ、
ともに」の意味となりました。
【音】は、「言」と「一」とを組み合わせた形で会意文字です。
「言」は、神に誓いをたてて祈る言葉ををいいます。この祈りに対して神が反応したときに
かすかな音を立てます。その音の響きは、「口」の中に横線の「一」を書いて示され【音】の字と
なりました。
【イクドウオン】を異句同音と書くのは間違いです。
『観普賢経:カンフゲンキョウ』に
時に三大士、異口同音に仏にもうして曰く
という使用例があります。
また、倉田百三『親鸞』には
並み居る人々からは異口同音に南無阿弥陀仏の声が出て、堂内に満ちた。
とありました。
50%の国民が【異口同音】に反対している法案を、何故、今、焦って成立させようとしているのか。