海と空とがぼんやりして、境目が分からず一体になって見える様子をいいます。
【水天】は、海と空をいいます。
【彷彿】は、ぼんやりとしている状態を表す擬態語です。
【彷】と【彿】の始まりが同じ子音なので、擬態語の中でも「双声語:ソウセイゴ」
といって区別しています。
「曖昧:アイマイ」のように、終わり方が同じ(イ)で終わっている擬態語は
「畳韻語:ジョウインゴ」といいます。
【ホウフツ】は【髣髴】とも書きます。
【水天彷彿】は頼 山陽 の七言古詩『天草洋(あまくさなだ)に泊(はく)す』の中の
四字熟語です。
口語訳は私訳です。
泊天草洋 天草洋(あまくさなだ)に泊(はく)す
雲耶山耶呉耶越 雲か 山か 呉か 越か
彼方に見えるは 雲か、山か、はたまた呉越の国ならん
水天髣髴青一髪 水天(スイテン) 髣髴(ホウフツ) 青一髪(セイイッパツ)
水天かすかに髮(かみ)一筋(ひとすじ)
万里泊舟天草洋 万里(バンリ)舟(ふね)を泊(ハク)す 天草の洋(なだ)
天草灘に舟泊めて
煙横篷窓日漸没 煙(けむり)は篷窓(ホウソウ)に横たはって日(ひ)漸(ようや)く没す
煙棚引く船窓に やや日も暮れなんとす
瞥見大魚躍波間 瞥見(ベッケン)す 大魚(タイギョ)の波間(ハカン)に躍(おど)る
波間に魚の飛び跳ねて
太白当船明似月 太白(タイハク)船に当(あ)たって 明(メイ)月に似たり
金星輝き 月光にまごう