【飛竜雲に乗る】と訓読みされまして、賢者や英雄が時勢に乗じて勢いを得て、才能を発揮することを表した四字熟語です。
【竜(龍)】を「リュウ」と読むのは呉音読みで「リョウ」と読むのは漢音読みです。
「登竜門」は「リュウ」、「竜神様」も「リュウ」、将棋の「竜王戦」も「リュウ」ですが
「坂本竜馬」は「リョウマ」です。
【飛竜乗雲】は『韓非子』難勢(ナンセイ)篇にでています。
飛竜雲に乗り、騰蛇(トウダ)霧に遊ぶ、
空飛ぶ竜は雲に乗り、天に昇る蛇は霧に遊ぶが、
雲罷(や)み霧霽(は)るれば、
雲が消えて霧が晴れてしまうと、
而(すなは)ち竜蛇も螾螘(インギ)と同じ。
竜も蛇も(もう天には昇れず)ミミズやアリと同じになってしまう。
則(すなは)ち其の乗ずるところを失えばなり。
それは、拠り所にしたものを失ったからである。
賢人にして不肖に詘(くっ)するは、
賢人でありながら愚か者に屈服しなければならないのは
則(すなは)ち権軽く位卑(ひく)ければなり。
賢人の権勢が軽くて地位も低いからである。