【羊質にして虎皮す】と訓読みされまして、外見は立派だが中身がないことを表す四字熟語です。
【羊質】は羊の性質と言う意味です。
羊は草を見ると喜ぶし、獰猛な獣を見ると慄(おのの)くという性質があります。
その羊が【虎皮】を被って、外見を立派に見せようとも、所詮は羊、というのが【羊質虎皮】です。
類義語に【羊頭狗肉;http://www.fukushima-net.com/sites/meigen/259】、
【羊頭馬脯:ヨウトウバホ。脯は干し肉】
【牛首馬肉:ギュウシュバニク】
などがあります。
【羊質虎皮】の出典は『揚子法言:ヨウシホウゲン』吾子卷第二です。
『揚子法言』は前漢の揚雄(ヨウユウ)の著書。『論語』に倣(なら)って問答形式で
儒教思想を説いた書物です。
「法言」と言いますのは、のっとるべき正しい言葉、手本となる言葉と言う意味です。
或る人が、私に質問しました。
姓は孔、字(あざな)は仲尼(チュウジ)という、孔子と同姓同名の人がいたとします。
その人が孔子の家に行き、部屋に上がり、机の前に座り、孔子の服を着たら、
その人を孔子と呼べるでしょうか
私は言いました。
見かけは同じだが、中身は孔子ではありません。似て非なるものです。
或る人が、更に質問してきましたので、私は言いました。
たとえば【羊質虎皮】と言いまして中身は羊なんだけど、その羊が虎の皮を被っている
ようなもんです。
羊は草を見ると喜ぶし、獰猛な獣を見ると慄(おのの)くという軟弱な性質があります。
その羊が【虎皮】を被って、外見を立派に見せようとも、所詮は羊、すぐ馬脚を現して
しまいます。無駄なこと。というのが【羊質虎皮】です。
【羊質虎皮】【羊頭狗肉】から、虎 〉羊 〉狗 という順になるんでしょうか。
11月6日 新聞一面トップは
『食の偽装 際限なし』 高島屋・東急ホテルズでも発覚
11月7日 新聞一面トップは
『百家店 食の偽装拡大』 三越伊勢丹・そごう西武・小田急も