この世は無常で、会えば必ず離れるのが定めであるから、憂いを抱くことのないように。
世界の姿はこのような(変わり移ろい行く)ものである。という意味の四字熟語です。
【会者】は、「エシャ」と読みまして、あう(あっている)者を意味しています。【会】は呉音読み「エ」、
漢音読み「カイ」です。
【定】は、呉音の「ジョウ」と読みまして「かならず」の意味になります。
【離】は、「はなれる・別れる」の意味です。
【会者定離】そのままの言葉ではありませんが、『遺教経:ユイキョウギョウ』、正式には「仏垂般涅槃略説教誡教」(ブッシハツネハンリャクセツキョウカイギョウ)に、
【世、皆無常にして会えば必ず離(リ)有る】という形で出ています。
この『遺教経』は、80才になったお釈迦様が、ふるさとの地に教えを説く旅に出た時、自分自身の死を予感し、いわゆる沙羅双樹にて、今まさに滅度されようとする最後の時の説法を伝えた経典です。
いわば遺言とでも言うべき教典です。
【世、皆無常にして会えば必ず離(リ)有る】の前後の文章を掲載します。
世皆無常会必有離。
世、皆無常にして会えば必ず離有ることを。
世界は、すべて無常であって「会者定離」であることを。
勿懐憂也。世相如是。
憂を懐くこと勿れ。世相是の如し。
憂いを抱くことのないように。世界の姿はこのようなものである。
『平家物語』巻十維盛入水には、【生者必滅】【会者定離】とペアで記載されています。
中にも夫妻は、一夜の枕を並ぶるも、
なかでも夫婦は、一夜の枕を並べるのも
五百生の宿縁と承れば、前世の契り浅からず候ふ。
五百生の宿縁(500度生まれ変わる前から結ばれている縁)と申しますので、
先世の契りが深いのです。
生者必滅(ショウジャヒツメツ)、会者定離(エシャジョウリ)は、憂き世の習ひにて
候(さふら)ふなり。
生者必滅、会者定離は浮き世の習いでございます。
11月2日は、キリスト教で、万霊節(この世を去ったすべての信徒を記念する日)です。
昨日は「諸聖人の記念日」で万聖節でした。