幅広く学び、深く詳しく問いただすことを表した四字熟語です。
四書(論語・孟子・大学・中庸)の中の一つ、『中庸』に出ている言葉です。
学問をする態度を具体的に説き明かした文章です。
【博学:ハクガク】、【審問:シンモン】、のほかに【慎思:シンシ】、【明弁:メイベン】があり、
最後に【篤行:トクコウ】によって完成です。
この五つを体得するのが学問であって、特に【篤行】まで進まなくては真の学問とは言えないのだそうです。
読み下し文と口語訳を交互に示しました。結構な長文ですが読んでみてください。
博(ひろ)くこれを学び、審(つまび)らかにこれを問い、慎しみてこれを思い、
何事もひろく学び、くわしく綿密に質問し、慎重にわが身について考え、
明らかにこれを弁じ、篤(あつ)くこれを行う。
明確に分析して判断し、丁寧に行き届いた実行をする。
学ばざることあれば、これを学びて能くせざれば措(お)かざるなり。
まだ学んでいないことがあれば、それを学んで充分になるまで決してやめない。
問わざるあり、これを問うて知らざれば措かざるなり。
まだ質問していないことがあれば、それを問いただして理解するまで決してやめない。
思わざるあり、これを思うて得ざれば措かざるなり。
まだよく考えていないことがあれば、それを思索して納得するまで決してやめない。
弁ぜざるあり、これを弁じて明らかならざれば措かざるなり。
まだ分析していないことがあれば、それを分析して明確になるまで決してやめない。
行わざるあり、これを行うて篤からざれば措かざるなり。
まだ実行していないことがあれば、それを実行して充分に行き届くまで決してやめない。
人一たびしてこれを能くすれば、己れはこれを百たびす。
人が一の力で出来るとしたら、自分はそれに百倍の力を注ぎ
人十たびしてこれを能くすれば、己れはこれを千たびす。
人が十の力で出来るとしたら、自分はそれに千倍の力を注ぐ。
果たしてこの道を能くすれば、
もし本当にそうしたやり方ができたならば、
愚なりと雖も必ず明らかに、
たとい愚かな者でも必ず賢明になり、
柔なりと雖も必ず強からん。
たとい軟弱な者でも必ずしっかり者になるであろう。
何事においても、達成された人は、百倍、千倍、の力を注いでいたんですね。