様々な災難や苦難のことを言います。
また、そのような多くの災難・苦難に出あうことも意味します。
本来は仏教語です。
【七難】は七種類の災難をいいますが、具体的には経典によって異なるようです。
岩波仏教辞典によりますと、
智顗(チギ)の『観音義疏』では
1) 【火難:カナン】 2)【水難:スイナン】
3) 【羅刹難:ラセツナン】 4)【王難:オウナン】
5) 【鬼難:キナン】 6)【枷鎖難:カサナン】
7) 【怨賊難:オンゾクナン)】
『仁王般若経』では
1) 【日月失度難】 2)【二十八宿失度難】
3) 【大火難】 4)【大水難】
5) 【大風難】 6)【天地国土降亢陽(コウヨウ)難】
7) 【賊難】
『薬師経』では
1) 【人衆疾疫難】 2)【他国侵逼(シンピツ)難】
3) 【自界叛逆(ハンギャク)難】 4)【星宿変怪難】
5) 【日月薄蝕(ハクショク)難】 6)【非常風雨難】
7) 【過時不雨難】
同じ仏教なのに、随分と違うものなんですね。
【八苦】のほうは、今日の四字熟語『No.477 四苦八苦』でご紹介しましたが
1)【生:ショウ】 2)【老:ロウ】 3)【病:ビョウ】 4)【死:シ】
5)【愛別離苦:アイベツリ・ク】 愛する人と別れねばならない苦しみ。
6)【怨憎会苦:オンゾウエ・ク】 嫌いな人とも会わねばならない苦しみ。
7)【求不得苦:グブトク・ク】 自分がほしいと思っても手に入れることができない苦しみ。
8)【五蘊盛苦:ゴウンジョウ・ク】 人間の身心を形成する、 色(肉体)、受(感覚)、想(表象)
行(意志)識(認識)の五つから起こる苦しみ、をいいます。
色白の女性は顔かたちに多少の欠点があっても、それを補って美しく見えるということを、
『色の白いは七難かくす』といいます。この七難は、多くの欠点ということです。
いまから450年ほど前、御家再興のために、山中鹿之助は
願わくは、我に【七難八苦】を与えたまえ、と三日月に祈ったそうです。
今回で【今日の四字熟語】700回になりました。800回に向かって前進!
今夜は十五夜、満月です。