神仏にお祈りする前や大切な仕事をする前に、飲食や行動を慎み身を洗い清めることを言います。
【斎】は、正字体が「齋」です。齊の省略形と示とを組み合わせた会意文字です。
「齊(斉)」は祭祀(サイシ)に奉仕するときに使う三本の簪(かんざし)で、婦人の髪飾りです。
「示」は、祭壇を表します。
祭壇の前で祭祀に奉仕することを【齋】といいます。「ものいみ。つしむ」の意味となります。
【戒】は、戈(カ:ほこ)+廾(キョウ:左右の手を並べた形)から作られた、会意文字です。
戈を両手で高く持ち上げている形が【戒】で、武器をとって戦いの準備をし、用心をすることを
言います。
戦いに「備える」の意味から「いましめる」の意味で使われました。
【沐】は、「氵+木(音符号)」から作られた形声文字です。意味は、髪を洗う。
【浴】は、「氵+谷(音符号)」から作られた形声文字です。意味は、身体を洗う。
『孟子』離婁下篇にでています。
孟子曰、西子蒙不潔、
孟子曰く、西子(セイシ)も不潔を蒙(こうむ)らば、
孟子が言いました、西施のような絶世の美女でも、汚物をひっかけられていたら、
則人皆掩鼻而過之、
則(すなは)ち人皆鼻を掩(おお)いて之(これ)を過(す)ぎん、
誰でも(臭いので)鼻をつまんでそばを通り過ぎるだろう。
雖有惡人、
惡(みにく)き人有(た)りと雖(いえど)も
どんな不器量な人でも、
斎戒沐浴、
斎戒沐浴すれば
斎戒沐浴して心身を清めたならば、
則可以祀上帝。
則ち以て上帝を祀(まつ)るべし。
天帝でさえもその人のお祀(まつ)りを快くお享(う)けくださるだろう。
人は先天的な素質に甘えず、後天的な修養こそ大切である。