非常に守りの堅い城のことを言います。
【金城】は、金で築いた堅固な城をいいます。
【湯池】は、熱湯をたぎらせた濠(ほり)のことをいいます。
守りが非常に固く、攻めるのが難しい城の意味です。
出典は、『漢書(カンジョ)』蒯通(カイトウ)伝です。
紀元前の中国、秦が滅びて、戦国時代の旧六国(韓、魏、趙、燕、斎、楚)が各地で秦の打倒に立ち上がりました。
そんな中で、武臣(ブシン)という将軍が趙を平定して、さらに范陽(ハンヨウ)に攻め入ろうとしました。
范陽の県令(知事)は、武臣が范陽を攻めるのをやめさせようと、論客の蒯通を武臣のもとへ派遣しました。
蒯通は【金城湯池】の言葉を用いて范陽攻略をやめさせました。
范陽を攻めて降伏させ、その県令を殺してしまうと、他の県令たちは、
軍備を充実し、【金(鋼)の城を築き、熱湯の濠をめぐらし】鉄壁の守りを固めるでしょう。
しかし、降服した范陽の県令を厚くもてなすならば、他の県令たちも挙って降伏してくるでしょう。
そうすれば千里の彼方まで、わけなく平定することが出来るのではないでしょうか。
蒯通のこの説得に武臣も「なるほど」と思い、范陽の県令を手厚くもてなしたため、
それにより戦わずに武臣に降るものが、三十余城もあったそうです。
後に、韓信(カンシン)も蒯通の言をきいて燕・斉の地を攻略しました。
選挙の時、たとえば保守政党に強い地域を「保守の金城湯池」などと表現します。