【頭(あたま)を焦(こ)がし額(ひたい)を爛(ただ)らす】と訓読されまして、文字通りには火災を消すために頭の毛を焦がし、額にやけどを負うことを表す四字熟語なのですが、
No.687【曲突徙薪:キョクトツシシン】と、一つながりのお話です。
【焦】は、「隹(とり)+灬(火)」から作られた会意文字です。
トリを焼くことから「やく、こげる、こがす」の意味となりました。
【頭】は、「頁+豆」から作られた形声文字です。豆が音符号です。
【爛】は、「火+闌」から作られた形声文字です。闌が音符号です。
【額】は、「頁+客」から作られた形声文字です。客が音符号です。
宣帝時代に横暴を極めた霍光一族が誅滅されると、一族の権勢を恐れていた連中があれこれと、非難を上書しご褒美を得ていました。
予め用心を提案した徐福には、何のご褒美もないのに腹を立てたある大臣が徐福の為に、喩え話を交えて上書しました。
ある人の火災予防の提案に耳を貸さなかった主人の宿が、とうとう火事になって
しまいました。近所の人の助けで何とか全焼は免(まぬが)れました。
主人は、牛を殺し酒を出して隣人に感謝しました。火傷をした人を上座にすえ、その他手柄に応じて
席につけてもてなしました。煙突を曲げて火災予防を勧めた人は招かれませんでした。
ある人が、火災予防を教えた人の為に、火事にあった主人に言いました
予防を教えてくれた人の言うことを聞いていれば、火災にならなかったでしょう。
煙突を曲げ、薪を移すように勧めてくれた人には、何の報いも無く、
【髪の毛を焦がし額に火傷をした人】を上客とするのですか。
主人は気がついて火災予防を教えてくれた人を招きました。
宣帝はこの上書を受け入れ、「徐福」に褒美と「郎」と言う職を与えました。