【上天は欺(あざむ)き難(がた)し】と訓読みされます。
(弱い人達を虐(しいた)げるのは簡単だが)天を欺くと、きっと天罰があるぞ。ということを表す言葉です。
9月27日の朝日新聞『天声人語』に引用されていました中国古典の言葉です。
出典が明記されていませんでしたので、調べました。
『通俗編』巻六:政治にでていました。
『通俗編』といいますのは、「通俗」語を天文・地理・政治など38に分類して、それぞれに出典を示して語義・語源を考証した事典です。約5000語が収められています。
爾俸爾錄
爾(なんじ)の俸(ホウ)爾の錄(ロク)は
お前達の俸給は
民膏民脂
民の膏(コウ)民の脂(シ)なり
人民の汗と脂のたまものによるものだ。
(だから、お前達は民に感謝し、いたわらねばならない)。
下民易虐
下民(カミン)は虐(しいた)げ易(やす)きも
(よもやこの気持ちを忘れて)弱い人民を虐げたりすると
上天難欺
上天(ジョウテン)は欺(あざむ)き難(がた)し
お天道様は見てるはず、きっと天罰があろうぞ。
公務員の心構えを説いたことばでした。
二本松城址(霞ヶ城址)の入り口に
長さ約8.5m、最大幅約5mの自然石(花崗石)の大石に、【爾俸爾錄】以下の16文字が刻まれていました。
“戒石銘(カイセキメイ)”とし堂々の存在でした。昨日確認してきました。
2011年3月11日 東日本大震災の半年後、経済産業省の50代の公務員が、ブログに
「増税の是非ではなく、パパは 復興は不要だ と正論を言わない政治家は死ねばいいのにと思う」
などととんでもない書き込みをしました。
2年後の今年9月26日、停職2カ月の懲戒処分が下されました。
・・・・・そうか公務員は悪いことをしても馘(くび)にならないんだ。