口数は少ないけど、行動はすばやいこと、を表す四字熟語です。
ただし誰でも彼でも「訥言敏行」であればいい、という訳ではありません。
この四字熟語は『論語』里仁(リジン)篇に出ていまして
【読み下し文】
君子は言(ゲン)に訥(トツ)にして、行(おこな)ひに敏(ビン)ならんことを欲(ほっ)す。
【意訳】
君子たる君たちは、口数は少なくて構わないが、行動は迅速にしなければいけないよ。
となっています。
「君子」は、となっていまして、そうじゃない人には「訥言敏行」を求めていないようです。この文章の少し前に孔子は、
「昔の人が軽々しく意見を言わなかったのは、自分の行いが言葉に伴わないのをおそれたのだ」と言っていますし、また學而(ガクジ)篇でも
「君子は、やらなければならないことは、速やかに実行し、言葉を慎んで軽はずみなことはいわないように」
と同じようなことを言ってます。結局言葉よりも実践を尊んだようです。
ですから、べらべら軽い調子でいい加減なことを言っている人は、訥弁を志して言葉を慎み、逆に行いのスピードが遅い人は素早い実行力を身につけるようにしましょう。・・・というところでしょうか。孔子がお弟子さん達に言いたかったのは。
我が国の首相が、記者会見やブラサガリとかに積極的でないのは、「訥言」を目指し、何一つ、政策を実行できないでいるのは、「鈍行」を目指し ・・・・・・・ アレっ なんか変。
『訥言敏行』ですよ。 総理! 総理!!