勇ましく強く、決断力に富んでいることを表す四字熟語です。
『漢書』翟方進(テキホウシン)伝にでているのですが、悪い方向に【勇猛果敢】の例として記載があります。
前漢の成帝(B.C.32~B.C.7)の時、丞相(ジョウショウ)の翟方進が、成帝の
外舅(ガイキュウ):紅陽侯(コウヨウコウ)とその仲間を非難して、
紅陽侯とその徒党は、
皆內有不仁之性、而外有俊材、
いずれも内面には不仁(仁徳を失うこと)の性を有し、外面にはすぐれた才能を有し、
過絕人倫、【勇猛果敢】、處事不疑、
人のふむべき道を超越し、勇猛果敢、事に対処して疑わず、
所居皆尚殘賊酷虐(ザンゾクコクギャク)、苛刻慘毒(カコクザンドク)以立威、
その到ところすべて殘賊酷虐(人の道に反し平気で酷いこと)を尚(とうと)び、
苛刻慘毒(ひどくしいたげること)を行って威嚇し、
而無纖介愛利(センカイアイリ:こまやかな愛情)之風。
いささかも人を愛し人を益するところがありません。
奏上の結果、紅陽侯等は職を免じられ、故郷に帰されました。