いまは、弟子がその師よりもすぐれることの譬えとして使われています。
「出藍之誉(シュツランのほまれ)」という言い方もあります。こちらの方が馴染まれているようです。
『荀子(ジュンシ:荀況の自著といわれている書名)』の冒頭に出てくる言葉です、
【読み下し文】
学は以て已(や)むべからず。青は、之(これ)を藍(あい)より取りて藍より青く、 氷は、水之を為(な)して、水より寒し。
【意訳】
学問は途中でやめてはならない。青は、藍草から取るが藍草より青く、 氷は、水が変化したものだが、水より冷たい。
となってまして、弟子が師匠を越える話などは出てきません。後世の儒者による解釈ですが、その方が理解しやすく今に伝えられています。
荀子は孟子の「性善説」との対比で、「性悪説」を唱えたとされています。人間は欲望のままに行動して社会的混乱という「悪」を起こしがちである、だから学問による教化が必要である。
これが荀子の考え方の基本のようです。ですから『荀子(書名)』の最初は学問の勧めともいう意味で「勧學」から始まっていまして、その次が「修身」となっています。
荀子が言いたかったことは
「人は学問を続ければ、持って生まれた本性以上の人になれる」だったのでしょう。
2000年以上の昔から学問の大切さが言われ続けていました。 言われ続けていたということは、
「学問の大切さ」を本当に理解している人が少なかったからなのでしょうね、・・・・・・おそらく。
『荀子』は現存32篇となっています。韓非子は荀子から儒学を学んだそうです。