二百十日(にひゃくとおか)は、雑節のひとつで、立春から210日目の今日をいいます。
雑節といいますのは、二十四節季・五節句の他に季節の移り変わりを摑(つか)むために
設けられたものです。因(ちな)みに
二十四節季は
立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
五節句は
人日(ジンジツ) 正月七日。
上巳(ジョウシ) 三月三日。
端午(タンゴ) 五月五日。
七夕(シチセキ) 七月七日。
重陽(チョウヨウ) 九月九日)
です。
一般に雑節と呼ばれているものは次の九つです。
節分。彼岸。社日。八十八夜。入梅。半夏生。土用。二百十日。二百二十日。
【二百十日】のこの時期はイネの開花期でもあり、また台風が来るのを警戒しなければいけない日ということで雑節になったようです。
八朔(旧暦8月1日)や二百二十日とともに、農家の三大厄日と言われているようです。
農作物を風雨の被害から守るため、各地で風鎮めの儀式や祭が行われていまして、
富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」などが知られています。
二百十日や二百二十日は台風の厄日といわれていますが、「台風の特異日」ではないそうです。
大型台風が来襲しやすい「特異日」は9月17日頃と26日頃だそうです。注意しましょう。
夏目漱石の小説に『二百十日』があります。
初めて読んでみました。最後の一文が印象に残りました。
二人の頭の上では二百十一日の阿蘇が轟々(ゴウゴウ)と百年の不平を限りなき碧空(ヘキクウ)に
吐き出している。