いつまでも老いることなく長生きすることを表す四字熟語です。
正徳4(1714)年8月27日は貝原 益軒(かいばら えきけん)が亡くなった日です。
江戸時代の本草学者であり儒学者でもありました。
明治時代に西洋の医学・生物学・農学の分野がもたらされるまでは、日本史上最高の生物学者であり農学者でした。
活躍したのは、四代家綱(いえつな)・五代綱吉(つなよし)・六代家宣(いえのぶ)の時代です。
益軒83歳のとき、実体験に基づいて書かれたのが『養生訓』です。
長寿を全うするためには身体だけでなく、心の養生が大切であると説いているところに特徴があります。
次の年84歳で亡くなりました。『養生訓』を自らの物として長生きなさったように思います。
『養生訓』
第一巻 総論上・第二巻 総論下
第三巻 飲食上・第四巻 飲食下
第五巻 五官
第六巻 愼病
第七巻 用薬
第八巻 養老
『孟子』の【君子三楽:今日の四字熟語No.476】にちなみ、養生の視点から次の三つの楽しみを挙げています。
① 道を行い、善を積むことを楽しむ
② 病にかかることの無い健康な生活を快く楽しむ
③ 長寿を楽しむ。
その長寿を全うするための条件として、自らの内にある四つの欲を抑えなさいと言ってます。
① なんでも食べてみたいという食欲
② 色欲
③ ただ眠りたがる欲
④ 無駄に喋りたがる欲
さらに季節ごとの気温や湿度などの変化に合わせて体調を管理をすることによって、健康な身体での長寿が得られるのであると述べてます。
「巻第三・飲食上篇」には、
『論語』郷党篇に記せし聖人の飲食の法、これ養生の要なり。聖人の疾(やまい)を
慎(つつし)み給ふことかくの如し。法とすべし。
と記載されています。
『論語』郷党篇には、私の大好きな言葉
【酒は量無し 乱に及ばず:乱れなければ なんぼ飲んでもよい】があります。
貝原益軒先生にもお墨付きを貰ったようなものです。・・・・・では失礼して養生のために、一献。