人々が豊かで、平和な世を楽しむたとえを表した四字熟語です。
【含哺】は、食べ物を口に含んでいることを言います。
【鼓腹】は、腹つづみをうつことを言います
『荘子』馬蹄篇や『十八史略』帝堯篇などに記載があります。
ここでは『十八史略』帝堯篇を抜粋しました。
帝尭(テイギョウ)陶唐(トウトウ)氏は、帝嚳(テイコク)の子なり。
帝尭陶唐氏は帝嚳の子である。
天下を治むること五十年、天下治まるか、治まらざるか、
天下を治めて五十年が経ったが、はたして治まっているのか、いないのか
億兆己を戴くことを願ふか、己を戴くことを願はざるかを知らず。
人民が自分を天子として、上に戴くことを願っているのか、いないのか、
自分でもよく分からなかった。
乃(すなは)ち微服して康衢(コウク)に游ぶ。
そこで、目立たない服装をして繁華な大通りに出かけた。
童謡を聞くに曰く、
子供たちが、こんなはやり歌を歌っていた。
我が烝民(ジョウミン)を立つるは 爾(なんじ)の極に匪(あら)ざる莫(な)し
家の暮らしが楽なのは、すべてあなたのおかげです。
識らず知らず 帝の則(のり)に順(したが)ふ、と。
知らず知らずに 帝の教えの通りで、幸せだ。
老人有り、哺を含み腹を鼓(つづみ)うち、壌(チ)を撃ちて歌ひて曰く、
老人がおり、食べ物を口に含み腹つづみをうち、
足で地面を踏み鳴らして拍子をとりながら、このように歌っていた、
日出でて作(な)し 日入りて息(いこ)ふ
日が昇れば耕作し 日が沈めば休息する、
井を鑿(うが)ちて飲み 田を耕して食らふ
水がほしければ井戸を掘り 、腹が減ったら耕して
帝力何ぞ我に有らんや、と。
帝の力で、生きてる訳じゃない。
『24時間テレビ』今年のテーマは、【ニッポンって・・・?この国のかたち】です。