【発奮して食を忘る】と訓読みされます。
精神を奮い起して、食事をするのを忘れてしまうほど学び励むことを表す四字熟語です。
『論語』述而(ジュツジ)篇にでています。
葉公(ショウコウ)、孔子を子路に問ふ。
楚の葉県(ショウケン)の知事、葉公が、孔子の人となりを子路に問いました。
子路対(こた)へず。
子路は答えることができませんでした。
子日く、女(なんじ)奚(なん)ぞ日はざる。
(孔子が後でこのことを聞いて)お前はどうしてこう云わなかったのか
其の人と為(な)りや、憤(いきどほり)を発して食を忘れ、
私と云う人間は、学問好きで、分からないことがあると発憤して研究に没頭し、
食事も忘れて
楽しみて以て憂ひを忘れ、
疑問が解けると、心から喜び楽しんでそれ迄の心配事もけろりと忘れてしまう。
老の将(まさ)に至らんとするを知らずと。
このように学問に打ち込んで、老いの来るのもわすれている人です、と。
結語の「老いの将に至らんとするを知らず」個人的に好きな言葉です。
白川静博士(2006/10逝去)が、将に至らんとするを知らずの人であったのかと。