あぜ道が四方に通じていて、どこへでも行けることを表す四字熟語です。
【阡:セン】は、耕作地の間のあぜ道を表します。特に南北に走る道を言います。
【陌:ハク】も、耕作地の間のあぜ道を表します。特に東西に走る道を言います。
【交通】は、『こもごも通ず』と訓読されまして、道が四方に通じていて、人が行き来することを表します。
【阡陌交通】は、陶淵明(トウエンメイ)の『桃花源記』の中にでてきます。
漢字320字の長い詩です。大体の内容は
渓流に迷い込んでしまった漁師が、陸に上がってしばらくいくと穴を見つけました。
チョット狭かったのですが、入っていきました。その穴を通り抜けると、村がありました。
そこの村人たちは、秦末(B.C.200年ころ)に戦乱を避けて来た農民たちでした。
その後の戦乱の事など知らず、平和に暮らしていまして、
いまが晋の太元年間(A.D.376年 – A.D.396年)であることは勿論知りません。
漁師は歓待され、この「桃源郷」が気に入ったので、また来ようと思い、あちこちに
印をつけて帰りました。
ふたたびそこに行こうとしましたが、道しるべは見つからず、桃源郷に至ることは
できませんでした。
というものです。この中で
【阡陌交通】は村の様子を表しているところにでてきます。
土地平曠、屋舎儼然たり。
土地は平らで広々、、家は整然としている。
良田・美池・桑竹の属有り。
立派な田や美しい池桑や竹などがある。
阡陌交通じ、鶏犬相聞こゆ。
あぜ道が交わり通じ、鶏や犬の鳴声があちこちから聞こえてくる。
1931年(昭和6年)の8月20日、
東京の銀座や京橋などに赤・靑・黄、3色の交通信号機が設置されたそうです。