勢いが止めがたいほど盛んであることを表す四字熟語です。
【破竹】は、竹を割ることです。竹は最初の一節を割ると、その後は次から次へと裂けていきます。
その勢いから【破竹の勢い】の言葉が生まれました。
『晋書』杜預(トヨ:222~284)伝に【破竹の勢い】で呉を破った話がでています。
三国時代の末期、魏を滅ぼした晋が呉に征討軍を派遣する事になりました。
本来なら、武名の高い羊祜(ヨウコ)が総司令官に相応しかったのですが、病床にあった為、杜預がその任にあたりました。
今兵威已振、
今兵威(ヘイイ)已(すで)に振(ふる)ひ
いま我が軍の威勢は振るい、
譬如破竹、
譬(たと)ふれば破竹(はちく)の如(ごと)し、
例えるならば竹を裂くかのような勢いがある
數節之後、
數節(スウセツ)の後、
数節が割(さ)けた後は
皆迎刃而解、
皆刃(やいば)を迎へて解き、
刃を受けて、簡単に裂けてしまい
無復著手處也。
復(ま)た手を著(つ)くる處(ところ)無きなり。
二度と、力を発揮できなくなるだろう(すなはち呉軍は滅びてしまうであろう)。
杜予の軍は、呉の都建業(ケンギョウ:今の南京)に殺到し、ついにこれを攻略しました。
呉王の孫皓(ソンコウ)は降伏し、【破竹の勢い】によりまして、晉の統一が為されました。
杜預は学者でもあり、特に『春秋左氏伝』に精通していまして、
『春秋経伝集解』『春秋釋例』を表しました。