蛙(かえる)や蟬(せみ)がやかましく鳴くように、騒がしいだけで何の役にも立たないことを言います。
このことから、無駄な表現が多くて内容の乏しい議論とか下手な文章を言うようになりました。
【蟬】は常用漢字では有りませんので「蝉」ではなく【蟬】と書くのが正解です。
「飛驒高山」、「忌憚のないご意見」、「簟笥」などに使われている「ダ・タン」も「単」ではなく、
【單】と書くのがいいと思います。
煕寧(キネイ)4年(1071年)杭州の副知事に任命された蘇軾(ソショク)は、都を出て赴任の途中、陳州(チンシュウ)に居る弟:蘇轍(ソテツ)を訪問しました。
陳州の渡し場に来た時に、五言絶句を八首詠みました。
「その一」に【蛙鳴】と【蟬噪】が分かれてはいますが、読み込まれた詩があります。
蛙鳴靑草泊
蛙(かわず)は鳴く靑草(セイソウ)の泊(ハク)
靑草おいしげる船着き場にはカエルが鳴き
蟬噪垂楊浦
蟬は噪(さわ)ぐ垂楊(スイヨウ:しだれやなぎ)の浦(ホ)
柳のしだれる岸辺ではセミの声がやかましい。
吾行亦偶然
吾が行(コウ)も亦(ま)た偶然
私のこの旅路はゆくりなくも
及此新過雨
此の新過(シンカ)の雨に及ぶ
雨があがったばかりのところへ行き合わせた。
類義の四字熟語に
【蛙鳴雀噪:アメイジャクソウ】
【驢鳴犬吠:ロメイケンバイ】
があります。