びくびくして震えおののく様子を表した四字熟語です。
【戦慄】を二つ重ねて、より一層、恐ろしさを強調した語です。
【戦】は、恐れ戦(おのの)く意味です。
【慄】も、恐れ慄(おのの)くの意味です。
【淮南子】人間訓(ジンカンクン)にでています。
「人間」は「ニンゲン」と呉音読みしますと「ひと」を意味しますが、
「ジンカン」と漢音読みしますと「世の中:世間」を意味します。
【人間いたるところ青山あり】は「ジンカン」です。
思いもかけないことが起こるこの世間を乗り切って所期の目的を達成するためには、人はどのように身を処したら良いのであろうか。
「人間訓」は、さまざまな観点から、その対処法を述べたものです。
夫(そ)れ言の口より出(い)づる者は、人に止(とど)む可(べ)からず。
ひとたび口から出た言葉は、他人に広がるのを止めることは出来ない。
行(コウ)の邇(ちか)きに発する者は、遠きに禁ず可(べ)からず。
身近に発した行為でも、(その影響が)遠くに波及するのを禁ずることは出来ない。
事は成り難くして、敗(やぶ)れ易(やす)く、
事は成り難く、しかも破れやすい、
名は立ち難くして、廃(すた)れ易(やす)し。
名は立ち難く、しかも廃れ易い。
千里の隄(つつみ)も螻蟻(ロウギ)の穴を以て漏れ、
千里の堤防も螻(けら)や蟻(あり)の穴からくずれるし、
百尋(ヒャクジン)の屋(オク)も、突隙の熛(ヒョウ)を以て焚く。
大きな建物も、煙突のすきまの飛び火から焼けてしまう。
堯の戒に曰く、【戦戦慄慄】日に一日を愼め、と。
堯の訓戒(クンカイ)に、【戦戦恐恐として、一日一日を慎重にせよ】とある。