【異端】は、一般的に正統でない道。正しくない道を言いますが。中国古典の中で出てくる時は、儒家に対して道家や墨家などの思想を言います。
【邪説】も、正しくない説。よこしまな思想・信仰・学説を言います。
【異端邪説】は正統でない、よこしまな説をいいます。
『論語』為政篇で【異端】に関して孔子はこう言ってます。
異端を攻(おさ)むるは、斯(こ)れ害のみ。
正統から外れた学説を学ぶことは、百害あって一利なしである、と。
『孟子』滕文公(トウブンコウ)篇で孟子は言ってます。
我も亦人心を正し、邪説を息(や)め、
私もまた天下の人心を正し、間違った学説を排擊し
詖行(ヒコウ:ねじけた行ない)を距(ふせ)ぎ、
片寄った行ないを防ぎとめ、
淫辞(インジ:道理にはずれた言葉)を放(しりぞ)く。
でたらめな無責任きわまる言論を追放する。
『十八史略』では、北宋時代:明道先生と称され、朱子学・陽明学の源流の一人とされている儒学者程顥(テイコウ:1032年~1085年)を讃えているなかで【異端】、【邪説】が出てきます。
先生千四百年の後に生まれ、
顥(テイコウ)先生は孟子没後千四百年のあとに生まれ、
不伝の学を遺経(イケイ)に得て、
久しく中絶していた聖人の学問を、『論語』や『孟子』などから学び
異端を辨(ベン)じ、邪説を息(や)め、
(聖人の教えと)異なる学問の正しくない点を弁じ正し、よこしまな学説をやめさせ、
聖人の道をして復(また)世(よ)に明らかならしむ。
聖人の道をふたたび世に明らかにした。
蓋(けだ)し孟子よりの後、一人のみ。
思うに先生は孟子以後ただ一人の眞の儒学者である。
儒家側からの見方ですが、【異端邪説】がいかに良くないかを説いています。
ナチス政権を引き合いにして憲法改正を説くとは・・・・・・。
「元なになに」と言う人は、二度と表にでてきてはいけません。
老子は言ってます『功なり名遂げて身退くは、天の道なり』。