一日早く生まれたことから、少し年長であることの意味です。
転じてほんの少し経験があり、技能などがわずかに優れていることも表します。
【一日之長】は『論語』先進篇にでています。
孔子が、お弟子さん達4人、子路(シロ)・曾皙(ソウセキ)・冉有(ゼンユウ)・公西華(コウセイカ)に、もしそれぞれを認めてくれる人がいたらどのような働きをして報いるか、話してみなさい、という場面で、
【一日之長】が使われました。
子路・曾皙・冉有・公西華、侍坐。
子路・曽皙・冉有・公西華、侍坐す。
子路・曽皙・冉有・公西華の四人が孔子の側に侍っていた時
子曰、以吾一日長乎爾、無吾以也。
子日く、吾が一日爾より長ぜるを以て、吾を以てすること無かれ。
孔子が、私がお前達より多少年が上だからと云って遠慮することはないよ。
居則曰、不吾知也。如或知爾。
居れば則ち日ふ、吾を知らざるなりと。如し或は爾を知らば、
お前達は日頃自分を知って登用してくれる人がいない(と不平を言っているが)、
もしお前達を認めてくれる人がいて用いてくれる人があったら、
則何以哉。
則ち何を以てせんや。
一体何をしようというのか、めいめい抱負を言ってみるがよい。
このあと4人のそれぞれの抱負が吐露されます。今回は【一日之長】の出典を明記するにとどめます。
論語の総字数は約14,000字、略500章ですから1章あたり28字となります。
【一日之長】がでている章は315字で論語500章中の最長文です。