仲の悪いもの同士が、共通の困難に出会った時には協力し合う、 という意味を表す四字熟語です。
春秋時代末期、呉の孫武(ソンブ)が書いた『孫子(ソンシ)』という兵法書があります。「正々堂々」、「百戦百勝」、「風林火山」などの句が『孫子』に出ています。この「呉越同舟」もその一つで、第十一篇の「九地」というところに記載されています。
九種類の戦地を「九地」と言いまして、その最後が「死地」です。
「死地」とは、突撃が迅速であれば生き延びるが、突撃が遅れれば全滅してしまうという戦場です。「死地」では間髪を入れず死闘しなければいけない。と孫武は言ってます。
【読み下し文】
越人(えつひと)と呉人(ごひと)の相悪(あいにく)むも、其の舟を同じゅうして済(わた)るに
当たりては、相救うこと左右の手の如し。
【意訳】
越と呉は憎みあう間柄ですが、同じ船に乗り合わせて河を渡るときは、手に手を取って助け合う。
原発災害、増税と社会保障、財政危機、TPP、・・・・・。
いま日本は「死地」に陥っているんじゃないでしょうか。
「呉越同舟」にならい、挙国一致で「死地」を脱出しなければ、全滅してしまいますよ!
2500年前の孫武の警告です。