物事の始まり、起こりを表す四字熟語です。
【嚆矢濫觴】、4字まとまった形での出典はありません。
【嚆矢】+【濫觴】から出来た四字熟語です。
【嚆矢】は、「かぶらや」です。【嚆】に、高鳴ると言う意味がありまして、戦いを始めるとき、
高鳴る矢、「かぶらや」を発して合図とすることから、ことを始めることを【嚆矢】と言うように
なりました。
【濫觴】は、觴(さかずき)に濫(あふ)れるほどのわずかな流れと言うことで、物事の始まりを
いいます。
大きな川もその始まりは觴を濫れさせるほどのわずかな流れであります。
【嚆矢】、【濫觴】とも同じ意味で、【嚆矢濫觴】は、これを重ねて意味を強めたものです。
【嚆矢】は、『荘子』在宥(ザイユウ)篇にでています。
焉(な)んぞ曾・史の桀・跖の【嚆矢】たらざることを知らん。
曾参(ソウシン:曾子。親孝行で知られました)や史鰌(シユウ:春秋時代の衛の人で、
息子に自分の死後の喪を禁ずることで王を諫めました)の善行が桀(ケツ:悪名高い夏の王)
や盗跖(トウセキ:伝説上の大盗賊)の悪事のさきがけになっていないと、どうしていえようか。
【濫觴】は、『荀子』子道篇にでています。
昔者(むかし)、江(長江のこと)は岷山(ビンザン)より出(い)づ。其の初めて出づるや、
其の源は以て【觴を濫るるべし】。
今日は『元号の日』です。
『日本書紀』孝徳天皇即位の記事に続いて、六月乙卯(十九日)条に
天皇・皇祖母尊(すめみおやのみこと:皇極天皇)・皇太子(中大兄皇子)、大槻の樹下に、
群臣を召し集めて、盟はしめたまふ。(中略)皇極天皇の四年を改めて、大化元年とす。
という記事がありまして、これが日本最初の年号制定に関する記録だそうです。