【今來古往】は、昔から今に至るまでという意味です。
【今來】は、今に至るまで、【古往】は、過ぎ去った昔という意味になります。
【古往今來:コオウコンライ】とも言われます。
【今來古往】は、梁川星巌(やながわ せいがん)の「芳野懐古:よしのカイコ」という七言絶句の第一句目にでてきます。
今来古往蹟茫茫 【今来古往】蹟(あと)茫茫(ボウボウ)として、
昔より今に至る幾星霜、遺蹟もいまは荒れ果てて、
石馬無声坏土荒 石馬声無く 坏土(ホウド)荒る。
陵墓の石馬、声も無く、荒るるにまかす盛れる土。
春入桜花満山白 春は桜花に入りて、満山(マンザン)白く
春は桜の季節なり、吉野の全山、ましろにぞ
南朝天子御魂香 南朝の天子、御魂(ギョコン)香(かんば)し。
南朝の天子の御霊(みたま)はかぐわしき。
梁川 星巌(寛政元年6月18日(1789年7月10日)~安政5年9月2日(1858年10月8日))は、江戸時代後期の漢詩人です。美濃(岐阜県大垣市)の人。女流漢詩人・紅蘭と結婚。紅蘭とともに全国を周遊し、江戸に戻ると玉池吟社を結成しました。コレラにより死亡。
【古往今來】は、西晋の文人潘岳(ハンガク:247年~300年)の「西征賦:セイセイフ」の中にでてきます。
【古往今來】、邈(はる)かにして悠なるかな。
太古より今にいたるまで、なんと限りなく果てしなく続いていることよ
寥廓(リョウカク)惚恍(コッコウ)たり、
太古は混沌として
一氣を化して三才を甄(あき)らかにす。
気は分かれて三才となった
此の三才とは、天地人の道なり。
この三才とは、天・地・人のことである。
潘岳は、西晋時代の文人。字は安仁。陸機(リクキ)と並んで西晋時代を代表する文人。また友人の夏侯湛(カコウタン)と「連璧」と称されるほど、類稀(たぐいまれ)な美青年としても知られている。
『世説新語』によると、潘岳が弾き弓を持って洛陽の道を歩くと、彼に出会った女性はみな手を取り合って彼を取り囲み、彼が車に乗って出かけると、女性達が果物を投げ入れ、帰る頃には車いっぱいになっていたという。
【擲果満車:テキカマンシャ】の四字熟語が残されています。