【窮鳥(キュウチョウ) 懐(ふところ)に入(い)る】と訓読みされます。
追い詰められて、逃げ場を失った人が救いを求めてくることを言います。
そのような時には、理由を問わず助けるのが人の道である、ということを言外に表した四字熟語です。
よく耳にしますのは、「窮鳥 懐に入れば猟師も殺さず」の成句ですが、「猟師も殺さず」の部分は日本で付け加えたようです。
出典は【顔氏(ガンシ)家訓】です。中国,6世紀の顔(ガン)之推(シスイ)の著。20編。六朝時代における家庭生活,風俗,儀礼,学術,宗教などの知識を提供し、家訓の祖と仰がれました。
善事には力を貸しても、闘争や悪事には力を貸さず、正しくないことをする仲間には加わるべきでは
ない。と前置きして、戦いに敗れたりして困窮し助けを求めて来たものは、大切に扱ってやるべきで
ある。と説いています。
窮鳥懐に入るは、仁人(ジンジン)の憫(あわ)れむ所なり。
追い詰められた鳥が懐に入れば、仁者はこれを憐れむ。
況(いわん)や死士我に帰せば、
ましてやその人の存亡(ソンボウ)帰趨(キスウ)が我にかかっているとすれば、
当(まさ)に之を棄(す)つべけんや。
どうしてこれを見捨てることができようか。
伍員(ゴウン)の猟舟に託し、
窮した伍子胥は猟師に助けられ、
季布(キフ)の廣柳(コウリュウ)に入り、
身をやつした季布は朱家に救われ、
孔融(コウユウ)の張倹(チョウケン)を蔵(かく)し、
孔融は頼る張倹を見過ごさず、
孫嵩(ソンスウ)の趙岐(チョウキ)を匿(かく)す、
孫嵩は追われる趙岐を匿った。
前代の貴(たっと)ぶ所にして、吾の行ふ所なり。
これらは古くより貴ばれる話であり、私の志すところである。
此れを以て罪を得るとも、甘心瞑目せん。
このような行為を以て罪を得たとしても、満足して安らかに死すだろう。
今日は「愛鳥の日」です。
日本鳥類保護連盟が1947年 4月10日をバード・デーとして制定しましたが、まだ冬鳥の多い時期であったことから、昭和25年 (1950年)からは5月10日~16日を野鳥を愛護する週間と定めました。
その初日を「愛鳥の日」としました。