子供の帰りを待ちわびる母親の気持ちを表した四字熟語です。
【倚門】は門によりかかることを言います。
【望】は、待ち望むという意味になります。
春秋時代斉の王孫賈(オウソンカ)に母が言った言葉です。
『戦国策』斉下 閔王(ビンオウ)にでています。
王孫賈(オウソンカ)は15歳で斉の閔王に仕えたが、閔王が出奔(B.C.284)して
居場所がわからなくなってしまいました。
王孫賈の母曰く、
汝(なんじ)朝に出でて晩(くれ)に来たれば、則(すなは)ち吾門に倚(よ)りて望み、
おまえが朝出掛けて夕暮れに帰ってくるとき、門に倚って待ち、
汝暮れに出でて還(かえ)らざれば、則ち吾閭(リョ)に倚(よ)りて望む。
夕暮れに出掛けたまま帰ってこないと、村里の門(閭)に倚って待っていた。
汝今王に事(つか)え、王出でて走りて、汝其の処を知らず。
なのに王がどこにいるのかもわからないのによく帰ってこられたものだね。
王孫賈は市中に行って、「淖歯(トウシ)が斉の国に乱を起こし、閔王を殺した。
私と一緒に誅戮(チュウリク)しようと思う者は、右肩を膚脱ぎになれ、と呼びかけました。
すると、市の人が400人ほどがついて来た。
王孫賈はこの人達とともに淖歯を誅戮に行き、突き刺して殺しました。
純粋に子供の帰りを心配しているのとは、ちょっと違う様な内容に思えます。
今日は「こどもの日」です。 昭和23年(1948年)に制定されました。
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日とも規定されています。
『端午の節供』とも言われています。
「端」は物のはし、つまり「始り」という意味で、「端午」は月の始めの午の日の意味ですが、「午」は「五」に通じることと、月と日の数字が重なる5月5日を特に「端午の節供」と呼ぶようになったそうです。