心に何のわだかまりもなく、安らかであっさりしていることを表す四字熟語です。
この【虚無恬淡】は荘子の中心的な考えを示す語です。
同義の四字熟語に【虚静恬淡:キョセイテンタン】があります。
【恬淡:テンタン】は、ドンドン、ガンガンなどと同じように、ある状態を表わす擬態語です。さらに語尾がおなじ音で終わる畳韻(ジョウイン)語といいます。
出典は『荘子』刻意篇です。
恬淡(テンタン)寂漠(セキバク)、虚無無為は、
落ち着いた安らかさで、ひっそりとした深みに在り、心を空にして作為をしないというのは、
此れ天地の平にして道徳の質なり、と。
天地自然の平安なあり方であり、真実の道徳の本質である。
故に曰く、
古語にもありますように
聖人は休すと
聖人は心を用いぬという。
休すれば則ち平易、平易なれば則ち恬淡なり。
心を用いなければ、心は平静となり、安らかである。穏やかに安らかであれば、
平易恬淡なれば、則ち憂患入ること能はず、
穏やかに安らかであれば、何の憂いも生ぜず、わずらいも心に入ることが出来ず、
邪気襲ふこと能はず。
邪気も身を侵すことが出来ない。
故に其の徳全くして神虧(か)けず、と。
これゆえ上に述べた徳が完全であれば、精神は健全で欠けることが無いのだ。
今日は「みどりの日」です。
平成元年(1989年)から平成18年(2006年)までは4月29日でした。
ゴールデンウィークを構成するために5月4日に変更されました。
「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」と、もっともらしい言訳が
『国民の祝日に関する法律』に記載されています。