物事や行為の標準・基準になるもののこと。物事の手本。きまり。
【鉤繩規矩】は独立した四つの漢字をならべて熟語にしたものです。
【鉤】は、先の曲がった金属製の道具である「かぎ」を表す字です。ここでは曲線を
描くための道具です。形状は未詳です。
【縄】は、直線を引くための墨縄(すみなわ)のことです。
【規】は、コンパス・ぶんまわしのことです。円を描くのに用いる道具です。
【矩】は、四角を描く差し金(直角に曲がった物差し)をいいます。
四つの漢字それぞれが、何か物を作る時の基準なり標準となることから、転じて物事の
法則や基準を表す四字熟語となりました。
【鉤繩規矩】の四字熟語は『荘子』駢拇(ベンボ)篇にでているのですが、
荘周(荘子)は儒家の重んじている「仁・義」は人が自然に生きようとしていることの害になる。という論法できてます。
且つ夫れ鉤繩規矩を待ちて正しき者は、
鉤や墨繩やコンパスや曲尺(かねじゃく)の力を借りて規格通りの形になるのは、
是れ其の性を削るなり。
素質を削ることになる。
繩約(ジョウヤク:ナワでしめること)膠漆(コウシツ:にかわとうるし)を待ちて固き者は、
やにかわなどの力を借りて堅くなるものは
是れ其の徳を侵すなり。
生来の性格を損なうことになる。
禮樂に屈折し、仁義に呴兪(クユ)して、
(それと同じように)礼楽に従って身をかがめ、仁義に従って行動し、
以て天下の心を慰むる者、此れ其の常然(荘子の言う「道」のこと)を失ふなり
世の人々の心をいたわるのは、本質的な姿を失うことになる。
荘子は仁義を【鉤繩規矩】にたとえて、これ(仁義)を行うことによって生来の自然の心を害(そこな)うと言っています。
今日は「憲法記念日」です。
昭和22年 (1947年)の今日、日本国憲法が施行されました。
ただし連合国から押し付けられた憲法としてです。