【夙(つと)に興(お)き夜(よわ)に寐(い)ぬ】と訓読みされまして、
朝早くから起き、夜半に寝るという意味です。一日中、一所懸命 仕事に励むことです。
【夙】は、会意文字です。早朝の月を拝む形を文字化したものです。音はシュク、意味は、朝早く。
以前から。などがあります。「つと・に」の読みがあります。
【興】は、同+臼+廾からできた会意文字です。「同」は酒器です。「臼」「廾」は四本の手です。
酒器である「同」を上下より持つ形です。儀礼のとき、地に酒を注いで、
地靈を慰撫することを表す字です。そこから転じて「興る」という意味も表すようになりました。
【夜】は、夕+亦からできた会意文字です。「亦」は、わきの下の意味です。
月が、脇の下よりも低く落ちた、夜の意味を表します。
【寐】は、宀+爿+未からできた形声文字です。「宀」は家屋の象形です。「爿」はベッドの象形です。
「未」はビという音を表します。意味は「ね・る」です。
【夙興夜寐】は『詩経』小雅(ショウガ)、小宛(ショウエン)にでている四字熟語です。
全体で4字×36句の長い詩です。【夙興夜寐】の前後を記載しました。
朝は早く起き夜はおそく寝て、日夜つとめはげみ、生んでくれた両親を辱めるような事をしてはならないと戒めている詩です。今から三千年以上も前に作られた詩です。
19)題彼脊令,
彼(か)の脊令(セキレイ:鶺鴒)を題(み)るに
鶺鴒をみれば
20)載飛載鳴。
載(すなは)ち飛び 載ち鳴く。
いそがしく飛んでは鳴く
21)我日斯邁,
我 日(ひ)に斯(か)く邁(ゆ)き
私もお前も日に月に
22)而月斯征。
而(なんじ) 月に斯(か)く征(ゆ)かん
たゆまずつとめてすすみ
23)夙興夜寐,
夙に興き夜に寐ぬ
朝は早く起き、夜は遅く寝て
24)無忝爾所生
爾(なんじ)の所生(父母)を忝(はずか)しむること無かれ
父母に恥かしい思いをさせまい