書物は繰り返し熟読することによって、その意味内容が理解されることを表す四字熟語です。
【読書百遍、義(ギ。意味)自(おの)ずから見(あらは)る】
という言葉でよく知られています。
『三国志』魏(ギ)志・王肅(オウシュク)伝の注を出典としています。
三国時代(A.D.220~280)、魏の今で言う財務大臣にあたる董遇(トウグウ)が、その弟子に教えた勉強法です。
人、従い学ぶ者有り。遇(グウ:董遇のこと)、肯(あ)へて教へずして云う。
董遇は、弟子に最初から教えようとせず、
必ず当(まさ)にまず読むこと、百遍なるべし、と。
まず自分で書物を熟読しなさい。何度も何度も意味が解るまで読みなさい。
言うところは読書百遍にして義自から見(あらは)るればなり。
百回読めば自然に理解できるようになる。
【読書百遍】を言われたお弟子さんが、私には百回も読む暇などありませんと言いました。
すると董遇は「暇がないことはないでしょう。三余(サンヨ:三つの余暇)にしなさい」と言いました。
三余とは何ですかとの問いに、
三余とは
1)一年の余りである 冬。(冬は農作業が忙しくない季節であるから)
2)一日の余りである 夜。
3)時刻の余りである 雨降り。
と答えました。 『今日の四字熟語』 No.344【読書三余】を参照してください。
かなり古いのですが、昭和29年(1954年)に小林秀雄さんが「新潮」に発表したエッセイ「読書週間」に
次のような文章がありました。
【読書百遍】という様な言葉が、今日、もう本当に死語と化してしまっているなら、
読書という言葉も瀕死の状態にあると言っていいでしょう。
4月23日~5月12日の約3週間は「こどもの読書週間」です。
標語は「たくさん読んで 大きくなあれ」です。
今日30日は、1950年(昭和25年)に図書館法が公布されたことにちなんで『図書館記念日』となっています。