晴天でも雨天でもすばらしい景色のこと。晴天には美しく、一方、雨が降ったら降ったでまたすばらしいことを表す四字熟語です。
蘇軾(ソショク)の「湖上に飲む初め晴れ後雨降る」の詩の一節から出来ました。
水光瀲艶晴方好 水光(スイコウ)瀲艶(レンエン)として晴れて方(まさ)に好し
水面のさざ波 しきりに起こり 晴れてまさに好し
山色空濛雨亦奇 山色(サンショク)空濛(クウモウ)として雨(あめ)亦(また)奇(キ)なり
山の風情 雨にけぶるも またなかなかに素晴らしい
欲把西湖比西子 西湖(セイコ)を把(と)って西子(セイシ)に比(ヒ)せんと欲(ほっ)すれば
西湖を西施に譬えるならば
淡粧濃抹總相宜 淡粧(タンショウ)濃抹(ノウマツ)總(す)べて相(あひ)宜(よろ)し
淡い化粧 濃い化粧 いづれもよく似合う
七言絶句は一句を2・2・3で区切って読むと、理解しやすいです。ですから
一句目は、
水光(湖水の光)+瀲艶(水の溢れるさま)+晴方好(晴れまさに好し)
二句目は
山色(山の色)+空濛(雨のそぼふるさま)+雨亦奇(雨もまたすぐれて好い)
と解釈しますとより一層理解が出来ると思います。因みに五言絶句の場合は、2・3で区切ります。
【晴好雨奇】は一句目の【晴方好】と二句目の【雨亦奇】を繫(つな)げて短縮したものです。
参考までに芭蕉の句
象潟や雨に西施がねぶの花
はこの詩を基にしたと言われてます。