【飛竜雲に乗る】と読みまして、賢者や英雄が時勢に乗じて勢いを得て、才能を発揮することを意味しています。
出典は『韓非子』難勢篇です。
飛龍乘雲、騰蛇遊霧、
飛竜雲に乗り、騰蛇(トウダ)霧に遊ぶ、
空飛ぶ竜は雲に乗り、天に昇る蛇は霧に遊ぶが、
雲罷霧霽、
雲罷(や)み霧霽(は)るれば、
雲が消えて霧が晴れてしまうと、
而龍蛇與螾螘同矣。
而(すなは)ち竜蛇も螾螘(インギ)と同じ。
竜も蛇も(もう天には昇れず)ミミズやアリと同じになってしまう。
則失其所乘也。
則(すなは)ち其の乗ずるところを失えばなり。
それは、拠り所にしたものを失ったからである。
賢人而詘於不肖者、
賢人にして不肖に詘(クッ)するは、
賢人でありながら愚か者に屈服しなければならないのは
則權輕位卑也。
則(すなは)ち権軽く位卑(ひく)ければなり。
賢人の権勢が軽くて地位も低いからである。






























