足の悪いスッポンでも、努力すれば千里の道を行くことができるということ。
能力の劣るものでも努力を惜しまなければ成功するということです。
【跛】は、片足が不自由なことを表す字です。音は「ハ」です。
【鼈】は、スッポンを表す字です。音は「ベツ」です。
スッポンの甲羅を『鼈甲:ベッコウ』といいます。
部首は「黽:あおがえる」です。音はモウ・ミョウ・ビン・ベン、いろいろあります。
【跛鼈千里】は『荀子:ジュンシ』修身篇にでています
故(ゆえ)に蹞歩(キホ:半歩)して休まざれば、
だから、足を一歩ずつ出して歩いて休止しなければ、
跛鼈(ハベツ:足の不自由なスッポン)も千里、
足の不自由なスッポンでも千里を歩き得るのであり、
累土(ルイド)して輟(や)まざれば、
土を積み重ねて手をゆるめなければ、
丘山(キュウザン)も崇成(スウセイ)す。
高い丘や山でも出来あがるのである。
【跛鼈千里】の四字熟語に込めた荀子からのメッセージは
学問は空想的理想を目標とせず、達成可能な目標を立てて努力をし、達成された都度ステップアップして次の目標を設定し着実に努力精進すべきである、ということのようです。
この【跛鼈千里】の前に【駑馬十駕:ドバジュウガ】という四字熟語で同様の趣旨を説明しています。
驥(キ)は一日にして千里なるも、
駿馬は一日に千里を走ると言われているが、
駑馬(ドバ)も十駕(ジュウガ)すれば、則(すなは)ち亦(また)之(これ)におよぶ。
駑馬でも十日間も歩けば、千里の道のりを行くことができよう。
『努力に勝る宝なし』です。頑張りましょう!