【知者(チシャ)は自(みづか)ら知り、仁者(ジンシャ)は自ら愛す】と読みまして、知者は自分で自分のねうちを見抜き、仁者は深く自分を愛する、という意味です。
孔子が門人の子路、子貢、顏淵に、知者とは何ぞ、仁者とは何ぞ、と質問した時の顏淵の答えです。
出典は『荀子』子道篇です。
子路入。
子路(シロ)入る。
子路が部屋に入ってきた。
子曰、由、知者若何、仁者若何。
子曰く、由(ユウ)や、知者は若何(いかん)、仁者は若何(いかん)。
孔子が言いました、由よ、知者とはいかなるものか、仁者とはいかなるものか。
子路對曰、知者使人知己、仁者使人愛己。
子路對(こた)へて曰く、知者は人をして己を知らしめ、仁者は人をして己を愛せしむ。
子路が答えて言うには、知者は人をして己の価値を知らしめ、
仁者は人をして己を愛させるものです。
子曰、可謂士矣。
子曰く、士と謂う可(べ)し。
孔子が言いました、なるほど、そのような人は正に士である。
子貢入。
子貢(シコウ)入る。
子貢が部屋に入ってきた。
子曰、賜、知者若何、仁者若何。
子曰く、賜(シ)や、知者は若何(いかん)、仁者は若何(いかん)。
孔子が言いました、賜よ、知者とはいかなるものか、仁者とはいかなるものか。
子貢對曰、知者知人,仁者愛人。
子貢對へて曰く、知者は人を知り,仁者は人を愛す。
子貢が答えて言うには、知者は人の真実の価値を知り、
仁者は心から人を愛するものです。
子曰、可謂士君子矣。
子曰く、士君子と謂う可し。
孔子が言いました、正に士君子というべきだ。
顏淵入。
顏淵(ガンエン)入る。
顏淵が部屋に入ってきた。
子曰、回、知者若何、仁者若何。
子曰く、回(カイ)や、知者は若何、仁者は若何。
孔子が言いました、回よ、知者とはいかなるものか、仁者とはいかなるものか。
顏淵對曰、知者自知,仁者自愛。」
顏淵對曰、知者自知,仁者自愛。
顏淵が答えて言うには、知者は自分で自分のねうちを見抜き、
仁者は深く自分を愛するものです。
子曰、可謂明君子矣。
子曰く、明君子と謂う可し。
孔子が言いました、正に明君子というべき人物だ。