【天下国家を爲(おさ)むるに九経(キュウケイ)あり。】と読みまして、すべて天下や国や家をうまくおさめてゆくのには、九つの原則というものがある、という意味です。
古代中国;周(紀元前1046年頃~紀元前256年)の國でのお話です。
出典は『中庸』第二十章です。
凡爲天下國家有九經,
凡(およ)そ天下國家を爲(おさ)むるに九經(キウケイ)あり
すべて天下や国や家をうまくおさめてゆくのには、九つの原則というものがある
①脩身也,
身(み)を脩(おさ)むるなり、
(君主が)自分の身を修めること
②尊賢也,
賢(ケン)を尊(とうと)ぶなり、
賢者を尊重すること
③親親也,
親(シン)を親(した)しむなり、
親族を親愛すること
④敬大臣也,
大臣を敬(ケイ)するなり、
大臣を敬うこと
⑤體群臣也,
群臣(グンシン)を體(タイ)するなり、
多くの臣下の身になって思いやること
⑥子庶民也,
庶民(シヨミン)を子(こ)とするなり、
民衆を我が子のように慈しむこと
⑦來百工也,
百工(ヒヤクコウ)を來(きた)すなり、
種々の職人を呼び寄せること
⑧柔遠人也,
遠人(ヱンジン)を柔(やわ)らぐるなり、
遠方からの行商人・旅人を労り心安らかにさせること
⑨懷諸侯也。
諸侯(シヨコウ)を懷(なつ)くるなり。
諸侯を心服させることである。