【鴉雀(アジャク)聲(こえ)無し、夜(よる)闌(たけなわ)に向かう。】と読みまして、鳥の声ひとつせず、ひっそりと静まり返った深夜に向かうという意味です。四字熟語 『鴉雀無聲:アジャクムセイ』の根拠です。
出典は蘇軾の詩、絶句三首の三首目です。
実際には蘇軾の作品ではなく、彼の友人である秦觀(シンカン)の作である、と言われています。
蘇軾は秦觀と交流がありそのため、蘇軾の詩として誤って伝えられた可能性があるようです。
天風吹月入欄幹
天風(テンプウ)月を吹き、欄干(ランカン)に入る。
天から吹く風が月を欄干の奥へと運び込んでくる
鴉鵲無声夜向闌
鴉雀(アジャク)聲(こえ)無し、夜(よる)闌(たけなわ)に向かう。
カラスやスズメの鳴き声もなくなり、あたりは静まり返っていく
織女明星来枕上
織女(ショクジョ)明星(ミョウジョウ)枕上(キジョウ)に来り
織姫と明けの明星がすぐ枕元まで輝き
乃知身不在人間。
乃(すなわ)ち身の人間に在らざるを知る。
我が身は俗世間にはなく、仙人の境地に至っている。