口数が多いと、かえって言葉に行き詰まることが多いと言う意味です。お喋りの戒めを言ってます。
【多言なれば数(しばしば)窮(キュウ)す】と訓読みされます。
『老子』の第五章にある四字熟語です。
天地不仁、萬物を以て芻狗(スウク)と為(な)す。
天地にはいわゆる仁愛の心は無い、万物をワラで作った狗のように扱う。
聖人不仁、
「道」を極めた聖人も万民にたいして人間的な愛情を抱いているわけではない、
百姓(ヒャクセイ)をもって芻狗と為す。
(聖人は)人々がワラで作った狗に対する時のような、虚心な態度で人々を扱う。
天地の閒、其れ猶(な)ほ、槖籥’(タクヤク:ふいご)のごときか。
天地自然の働きは空気を送り出す鞴(ふいご)の様なもので、
虚にして屈(つ)きず。
その働きは尽きることが無く、
動いて愈々(いよいよ)出(い)づ。
動けば動くほど万物がその間から生まれ出てくる。
多言は數々窮す。中(ちゅう)を守るに如(し)かず。
饒舌(ジョウゼツ)はしばしばゆきづまるものだ。虚心で無言を守るにしくはない。
言葉が多いとしばしば行き詰まる。虚心なのが一番よい。